先の続きである。
「公演で利益を出さないでどうする。」との指摘もあるに違いない。当然なことである。
ただ、ここで考えたいのは、文化を消費で考えても良いか、という点である。
よく言われるのが、最近における音楽の消費である。次々に曲が出るために、誰もが知っている曲がなくなり、結局、時代を代表する曲は生まれなかった。
これこそ、利益のための犠牲ではないのか。
前段でのオペラで考えると、その性格上、これ以上の公演回数を増やすのは難しいものの、公演日程やその開始時間の調整は、それほど難しいものとも思えない。
要は、来客よりも、主催者側の都合だけで、物事が運んでいると思われる。
それでも、チケットが売れるのは好事家だけを標的にしているからだろう。
これが関心をなくさせ、反対の意味で、誰もが知らないものとなっている。
(第千九百五十七段)