六月二十八日、新国立劇場にバレエ『白鳥の湖』を観に行く。
今回の作品は、牧阿佐美氏による改訂振付という。とはいっても、元々がどういうものかを知らない。
何しろ、バレエを観るのは、二回目である。
足を運んだ目的は、『白鳥の湖』の題名や曲はよく耳にするものの、実際に観たことがない。名作と言われるのに知らないのは、生きているのに勿体ないのではないか、と考えたからに他ならない。
この曲を初めて意識したのは、漫画『ドカベン』で使われていた時である。もう三十年も前になる。
バレエで曲の使われている場面を聴くと、思っていたのとは違い、暗い場面である。
意外であった。
『ドカベン』だと、登場人物のひとりが活躍する場面である。
ところで、今回の席は四階のD席にした。ここは服装からして普段着の人が多く、通い慣れている人ばかりとの印象を受ける。
尚、席は観易くするためか、椅子の腰掛け部分がやや高い位置にあり、足元には止まり木がある。
(第千七百九十八段)