五月十日、歌舞伎座夜の部へ行く。
今月は團菊祭となっている。
夜の部の演目は、『青砥稿花紅彩画(白波五人男)』、『三升猿曲舞』である。
これらのうち、注目したのは前者である。というのも、通し狂言になっていたからである。
演じるのは、音羽屋である。音羽屋の弁天小僧は、過去にも観たことがある。今回、通しにしたことにより、人間関係が分かり易くなった。
後者は、松緑丈が演じる。珍しい舞踊である。
ところで、今月は、昼の部が四時まであり、昼夜の入れ替えがスムーズに運ばなかった。特に、雨だと、流れが止まってしまう。
このため、夜の部では、開幕前の余裕がなく、ゆっくり劇場内を歩けなかった。
幕間も五分、三十五分、十分、十分では、食事やトイレだけで終わってしまい、他を楽しめない。
時間配分を考えて貰いたい。
(第千七百二十七段)