翌二十日、博多六時発「のぞみ2号」で広島へ向かい、そこで接続する「こだま624号」に乗り換える。
この日は、先に書いた三原駅付近の高架化を訪れる。
山陽本線に関しては、寝台特急で乗っているものの、呉線については未だ乗っていない。
今度の呉線は、八時二十分発である。
ここより、隣の須波までは距離がある。一体、どの辺まで高架化になったのか。
山陽本線と分かれ、比較的長い距離が高架化されている。
須波では、他に一組の夫婦が降りる。
駅は高台にあり、海が見える。
野良猫が、無人の駅舎にいるのか、慌てて中へ逃げる。
海の反対には、山が見える。
見上げると、雲が流れている。
その木々に影を落とし、ゆっくりと影が移動する。
見知らぬ土地に来ると、いつも空に目をやる。
今回も、こうした機会でないと来ないであろう土地の空を見た。
(第千六百九十六段)