車内の吊り広告で金融教育に関するものがあった。その主催は日本銀行という。
失われた十年以降、市場原理主義者を中心に、世界で生きるために、早くからの金融教育が叫ばれていたのは知っていたけれど、ついに車内広告まで現れたかと思った。
広告だけでは、その内容まで分からないものの、単に、マネーゲームとしての投資の仕方や金融商品を教えるだけならば、今後のこの国の未来は暗いであろう。
また、教えたとしても、その元手の得方については、どう説明するのか。
格差のある現状、底辺層では難しいことになる。
その場合、安易に元手を得るために、犯罪が増える可能性もあるに違いない。時間を掛け、働いて得ることをするとは考え難い。
平成になってから、これは明らかである。
背景として、インターネットや携帯電話の普及により、それが増加したと考える。
これらは社会の動きを速くさせる一方、ゆとりをなくさせた。これは余裕のない状況を指す。その速度は自然に反する。
(第千六百十二段)