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故郷情景物(あかさかふどきもの)

 エアコンが壊れた。故郷より地元へ越して来た時に買ったものだから、二十年強使ったことになる。
 修理をするため、電気屋に連絡したところ、古過ぎる理由で、修理は不可能ということであった。
 ここで、考えたのは最近の我が国においては、付喪神という語は最早死語であるという現実である。
 消費社会では、消費されなければ社会が成立しないため、企業は消費させようと目論むけれど、そこには重大な欠陥がある。作るのに必要な材料の調達方法、また、使った後の処理についてである。前者における資源は限られ、後者も困った状況となっている。
 このところ、リサイクルと言われるものの、遅過ぎた感がある。
ひと昔前まで、誰もが物を大切にしたものである。
故郷に住んでいた頃、今ほど、物は出回っておらず、必要なくなった物は、必要とする人へ譲るのが普通であった。
例えば、子供が大きくなれば、親戚の家の子供が着ていた洋服が届き、乳母車は子供が生まれた近所の家へと譲られた。
物を買うことは滅多になかった。
(第千五百五十六段)
by akasakatei | 2007-12-04 21:30 | 産業 | Comments(0)
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