学生時代、十五年後に今のような生活をしているとは思ってもいなかった。
会社員をしているとは考えていたものの、業界、職種など、予想しなかったことばかりである。
このように、ふと考える人は多いのではないか。
この間、一番予想出来なかったのは、昭和末期と比べ、正社員になり働くことの難しさである。
正社員としての仕事があること自体が幸福となってしまった。今や、企業での女性の多くは派遣社員か契約社員である。
男性にも、この傾向は年々増えて来ている。
要因は、平成不況になり、企業が固定費としての人件費を削ったことにある。更に、パソコンの普及で、事務職が減らされたこともあるだろう。
ただ、忘れてならないのは、この時代の流れに対し、財界の要望で、政府が規制を緩めたことである。
これにより、その日暮らしさえ出来ない人が増えるようになった。
希望の持てない世界に明日はない。
(第千五百三十段)