普段は忘れているが、偶に、地元では回覧板が回って来る。主に、家人が確認しているため、中を見ることはまずない。
それでも、休日に回って来ると、隣りへ届けることがある。
その際、驚いたのは、地元では、ポストへ入れる規則になっていて、直接、その家の人へ渡してはならないことになっているらしい。
呆れる他ない。
こうした機会でもないと、隣人と顔を合わせることはない。万が一の時、例えば、震災や火事などで、話せないほどの重体になっても誰か分からない。
隣近所との付き合いがないことでいえば、家族構成も知らず、逃げ遅れた場合でも気付かない。
このように考えると、故郷が懐かしい。
改めて、先日コピーした住宅地図を眺めると、未だに住人が分かる。
ところで、その地図で思い出したのが、故郷は生まれた頃と比べ、景観が短期間でかなり変化した。当時の住人らは、環境が変わることに対し、反対をしなかったのだろうか。
(第千四百五十九段)