朝霧高原を見ながら、白糸の滝へとバスは走る。山梨から静岡に入る。
左手には富士が見える。ガイドに、五合目へ行ったと言われても、実感はない。
白糸の滝は、側まで行けるという。ただ、氷穴に入った時、日頃の運動不足のため、太腿が筋肉痛である。
それでも、ゆっくりと階段を降り、滝の側まで行けば、人が集まる。江戸名所を題材にした浮世絵でも、このような姿が描かれている。
この後、時間があったので、音止めの滝、曽我兄弟の隠れ岩、工藤祐経の墓を見る。
音止めの滝は、白糸の滝へ行く途中にあるから、覗く人は多いものの、隠れ岩や墓にはいない。
尤も、それらの興味は歌舞伎上の延長である。
今や、芝居を観る人も少ないため、興味がないのだろう。
尚、ここの駐車場でも富士が眺められる。
富士に眺められた一日でもあった。
(第千三百七十二段)