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富士憧(ふじしんこう)

 地元では、晴れた日には富士が見える。尤も、通勤時、自宅と駅の関係でいえば、歩く方向が反対のために、目を向けることは少ない。
 夕方、傾く日を受ける富士は美しい。これもまた、帰宅時には日が暮れているため、見ることはない。
 江戸では、どこでも富士が見えたという。故郷では、戦後すぐまで見られたらしい。
 今や、あちこちに高い建物が出来、見晴らしが悪い。空が狭い。
 そういえば、小学校低学年の頃、版画で、富士を作った。特に、題の指定はなかったけれど、どうして、富士にしたのだろうか。
 これまで、富士に登ったことはない。町中にある人工富士だけである。それも大人になってからである。こうなると、無意識ということなる。
 考えられるとすれば、江戸の血か。代々江戸に住んでいたため、その影響しか思い当たらない。
 時々、新幹線に乗っていても、富士が見えると、過ぎ去るまで富士を眺めている。
(第千百八十段)
by akasakatei | 2006-11-23 21:34 | 地域 | Comments(0)
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