旅本質(にちじょうをしると)

 我が国では、どういう理由か、海外に憧れる風潮がある。旅行にしても、国内より国外に行きたがる。
 ある人に、その理由を訊けば、まるで日本を全て知っているかのようである。そのようなはずはない。知ったといえるのは、四季、天候面で全てを経験した場合である。そうしない間は、知ったことにはならない。
 こう考えると、多くの外国旅行経験者は、自国のことなど全く知らずに、比較しているのだろう。それも上辺だけに違いない。
 帰国直後に、会って話しを聞くと、心なしか、外人風な日本語となり、身振り手振りをする始末である。
 多くは、有名観光地やその土産物屋の話しである。
 庶民の暮らしを話して貰いたいと思っても、何も知らず、一体何しに行ったのかと考えるばかりである。
 これでは見聞を広めたことにはならない。
 こうした傾向は国内旅行でも勿論ある。
 土地の人の何気ない暮らしを知ってこそ、旅の楽しみがある。また、それが幸福である。
(第千二十段)
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by akasakatei | 2006-06-16 20:53 | 地域 | Comments(0)
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