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地元初春噺(はつわらい)

 七日、地元のホールで開かれた「新春初笑い寄席」に行く。出演する噺家は、歌丸、花緑、たい平の各師匠で、テレビで馴染みもあるので、全席指定の三千円のチケットは早々に売り切れたようである。
 口上一番、花緑師匠の弟子の緑太さんが登場し、『初天神』をする。なかなか上手くこなす。
 この後、すぐに歌丸師匠が出る。最後だと思っていたのに、意外である。
 師匠の高座は、前に浅草演芸ホールで聞いたことがあり、その芸に感動した。
 この日は、『井戸の茶碗』である。講談種で、初めて聞く噺である。その間の取り方が印象に残る。これが芸なのだろうか。
 一旦、休憩が入った後、たい平師匠が『紙屑屋』をする。噺に入るまでの枕が長いものの、笑いを取っている。ただ、テレビでは笑顔なのに、何故か、高座では笑顔がない。
 それでも、役者の声色や花火などの真似をし、観客を楽しませる。芸達者である。
 ここまでで、終演予定時刻の十五分前となる。どうやら、花緑師匠の到着が遅れており、たい平師匠が繋いでいたと察せられる。
 花緑師匠は『ちりとてちん』で、これは腐った豆腐を食べるところがひとつのポイントになる。
 そこに差し掛かった時、腹具合が俄かにおかしくなり、苦しんでいるその登場人物みたくなる。落語を体感する。
(第八百六十六段)
by akasakatei | 2006-01-13 21:01 | 文芸 | Comments(0)
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