(悪くなる世では:2019年5月26日撮影)
先日、国分寺の師匠と杯を交わしたのは神保町だ。振り返れば、社会人になって、半年頃、最初に配属された大船の営業店より本社へ異動になった。本社は小川町だった。
仕事後、よく師匠と杯を交わしたものだ。
バブル経済が弾けつつある頃で、未だ、町には活気があった。それから、三十年後、これほど、本や雑誌が読まれなくなるとは考えもしなかった。
また、戦争の雰囲気もなかった。
いつか、戦争が起きるかもしれないというと、誰もが、この時代に起きるとは考えられないと言っていた。
それが、今はどうか。
働いていても食べるのもやっとの世で、長生きし、隠居になった途端、露頭に迷う恐れがある。
このため、老後も働かなければならない。
否、働き盛りでも、企業は、全体を見ず、一企業の都合で、終身雇用を否定した。
四十代、五十代で、簡単に仕事が見付かるとも思えない。
企業がこの国の貧困さを生み出しているともいえる。
(第五千七百五十八段)