(雨の国立演芸場:2016年2月15日撮影)
二月十五日、国立演芸場の中席に足を運ぶ。
馬生師匠を中心とする鹿芝居で、『品川心中噂達引』が上演される。
今年の二月の日曜は、芝居や文楽で埋まり、なかなかチケットを
購入出来なかった。というのも、他の休日は、耶蘇の婆との話し合いで決まる。
このため、入手したのが一週間前で、最後の一枚であった。
この日は、団体がふたつあったためか。
何れにしろ、ただでさえ、顔を見たくない我を通す婆を相手に休みの駆け引きをするのだから、面倒だ。
面倒といえば、何日か前の新聞の人生相談に、夫の浮気を疑う主婦のものがあった。趣味のピアノを弾き、忘れようとしているらしいものの、端からすれば、ピアノの音は近所迷惑だと思う。更に加えるなら、結婚しても、ピアノを弾きたがる心理が分からない。
このような妻を持った夫は、面倒だろう。
ところで、鹿芝居だが、平日ということもあり、御隠居連中の団体で、敬老会に紛れ込んだ感じである。
帰路、三軒茶屋に出、銭湯で暖まる。浴室の絵は高原だ。
(第四千五百五十三段)