それにしても、子連れだと大荷物だ。沼津港近くの予約している旅館に、荷物を先に預けに行く。
だが、分かり難く、多少迷う。それに、スタッフも、フロントから外線で掛けないと出て来ない。
身軽になり、三番目の目的である深海水族館に行けば、かなりの人だ。
駐車場には、バスが並ぶ。
ここには、シーラカンスの冷凍もある。世捨て人の子が怖がる。
外に出ると、熱中症なのか、足が可笑しい。
チェックインは十六時で、未だ、時間があり、沼津港を船で巡る。沖に出ると、かなり、揺れる。
港に戻ると、夕方近くで、人がいなくなっている。同時に、港周辺の飲食店は、完売で閉店する店も目立つ。
観光案内所では、夕方でも営業している店は沢山あるとの話しだった。宿は素泊まりで予約しているから、どこかで食べなければならない。
仕方なく、目に付いた店に入る。
翌朝、チェックアウト時にフロントへ行けば、また不在だ。電話をしないと来ない。
電話をしている間に、宿泊客らが出始める。
そうした中、目立ったのが性同一性障害の人で、世捨て人の娘にあれこれと話し掛ける。
世捨て人の娘は、頭が混乱し始めた様子だ。
(第四千三百十段)