十月十九日、晴れ、武蔵小金井へ出る。地元からだと、バスで乗り継ぐことになる。
今回、武蔵小金井を訪れたのは、月に一度の学生時代の友人らとの散策だ。
この一年、都内の坂は歩いたものの、所謂、市には足を向けていない。
再開発された駅前には、商業施設内のチェーンの喫茶店しかない。漸く、駅前を過ぎた辺りに、落ち着けそうな店を見付ける。夫婦で経営している。
店で、回るルートを確認する。
質屋坂、妙歓坂、車屋の坂、白伝坊の坂、おお坂、ムジナ坂、平代坂、念仏坂で、約五キロである。
まず、石畳の質屋坂は良い意味で曲線が美しい。ここは旧志木街道という。
小金井街道を越え、墓地を横目に妙歓坂を上がる。金蔵院は、枝垂れ桜が印象的だ。
法事があるのか、喪服姿が目立つ。
(第四千七十段)