本格的に花粉が飛び始めた。薬を飲んでいるため、そうひどい状態でもないのだけれど、それでも朝十時前後に鼻水が出る。後から流れ出る。困ったものである。
それと同時に、腹痛も始まり、三十分毎にトイレに駆け込む。原因を考えると、前日の牡蠣フライか、それとも、夜の十時過ぎに襲名披露から戻り、小腹が空いたので、ご飯を食べた結果、胃腸に負担が掛かったのか。何れにしろ、思い当たることが多い。
上と下から流れ出て、忙しいことこの上ない。
このような状態のため、ここのところ、身体に力が入らず、何もする気になれない。食も細く、食べる気さえ起きない。ただ、布団に包まっていたいと願うばかりである。
だけれど、こういう時に限り、野暮用が多く、今月の土日は家にいられない。マスクをして出掛けるものの、一度、鼻水が流れ出すと、暫くは止まらない。つい、いつ流れ出すかが気になり、野暮用が疎かになる。
これは一種の神経症であろう。よく電車に乗っている時にトイレに行きたくなったら、どうしようかと心配する人がいる。それと似たものに違いない。
気にしないことが一番なのだけれど、この症状にそれは難しい。
(第五百六十九段)