(救急車の戻りは緊急車両か:2014年7月31日撮影)
車内において、六十代近くの女性がいる。爪に装飾をし、短いスカートだ。違和感を覚える。
働いているのかもしれないが、年相応の格好をすべきではないか。
世には不思議なことが多い。
救急車がサイレンを鳴らし、交差点に入って来る。マイクで道を譲るように叫んでいる。
驚くべきことに停車したのは、消防署の前だ。戻るために、急いでいたようだ。緊急車両でも何でもない。
そうした折り、国領の世捨て人から連絡が入る。
夜、妻が出掛け、一歳ちょっとの娘と留守番をしていたとのことだ。
目を離した時に、娘が定期券をケースから出し、どこかにやってしまい、一時間半も探していたとの話しだ。
状況的に、その辺に落ちていると思っていたところ、意外なことに本に挟まれていたという。
なかなか見付からず、その間、話しも出来ない娘に、どこにやったのか、訊いてしまったらしい。
尚、世捨て人はパスモ定期券なので、紛失の際は、再発行が可能だ、と後で気付いた様子だ。余程、余裕がなかったに違いない。
(第三千九百八十八段)