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一時独身家(どくしんしゃにたいするわだい)

現在、国領の世捨て人はひとり暮らしという。細君が出産で、入院中のためだ。
これまで、その世捨て人と杯を交わしても、まず、家族や出産の話しは出て来ない。察するに、独身者に対し、その種の話しをしても、興味は持たれることはない。聞いていても、後学の勉強ではなく、退屈に違いない。他人の話題における関心事とは、興味のある分野以外だと、他人の不幸くらいだろう。
ところで、その世捨て人より珍しく家族関係の話しが出る。
何でも、留守電にメッセージが残っており、再生したところ、細君方の親戚で、赤ん坊が生まれたなら、早く見たいということであった。
結婚式と法事で二度しか会ったことがない世捨て人からすると、何故、細君の実家を通さないのかと訝しく感じたらしい。
尚、細君はかなりの難産だったようで、電話を貰った時点では、未だ、すぐには生まれそうにもなく、色々と処置がされていた頃であった。
 生まれるまで、二日も陣痛室にいたとのことだ。
(第三千五百五十八段)
by akasakatei | 2013-05-28 23:16 | 家族 | Comments(0)
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