以前、骨なしの魚の切り身について触れた。最近では、観光地における漬けた商品にも見掛けるようだ。
国領の世捨て人より、知人から土産に貰った物を焼いたところ、焼き難かった、という連絡がある。
世捨て人は、レンジやフライパンで焼かず、網で焼く。このため、焼き加減を確認していると、骨がないから、身が崩れ易いとのことだ。尚、秋刀魚や鰯などを焼く際も、七輪を使い、通りで焼きたいと言っているくらいだ。
更に、世捨て人によれば、今の人は便利を求め、網を使わないのか、料理本を読んでも、レンジやフライパンなどと説明されており、役に立たないらしい。
確かに、東日本大震災でもそうだったが、何かあった場合、基本的なことを知らないと何も出来ないに違いない。
それを境に世の考えは変わるかと思ったものの、何も変わらず、新政権は原発を使わないと経済が良くならないと国民を煽る。これに、無知な有権者が頷くから困る。
福島の処理も済まず、今後も、地震の可能性があるのに、何故、平然といえるのか疑問だ。
自らの利益ばかりを追求し、何かがあった時は、その時代の人が考えるという姿勢では無責任だ。
先日、亡くなった十二代目成田屋は、現代に対し、「思いやりが欠けてきている。」とし、「恐竜は大きくなり過ぎ、食糧不足で滅んだ。」と語った。
この言葉は重く、首相や首相経験者も葬儀に顔を出したみたいだが、精神までは理解していないから、間違った政策を行なう。
また、今の歌舞伎は、富裕層ばかりが足を運び、芸術的視点で眺めるので、本来の意味が忘れられてしまった。
元々は庶民の娯楽だったことを思い出し、十二代目成田屋の言葉を考えるべきだ。
(第三千四百六十七段)