夏風邪を引いた。今夏、三度目である。これまでは喉であったが、今回は腹である。
これが物凄く、十分もしないうちに、トイレに駆け込まなければならないほどの症状であった。正直、家で養生したいものの、休めない仕事もあり、電車に乗る。
仕事場までは一時間近く掛かる。単純に計算すれば、途中六回の途中下車が必要である。とすれば、急行ではなく各駅停車に乗った方が良い。だけれど、トイレが混んでいた時のことを考えたならば、急行で先を目指すべきだろう。こういう時、普段から緊急時にどこのトイレが空いているかを確認していないために苦労をする。今後の課題である。
結局、今回は小康状態になったので急行にする。幸い、仕事場まで腹痛には襲われなかった。その足ですぐ、掛かり付けの医師の門を叩く。
医師によれば、この夏は腹への風邪が流行しているという。どこで、患者と接触したのか記憶にないが、かなり重い症状のため、食事はスポーツ飲料とうどんを勧められる。確かに、入った先から、すぐに出ていくので、これらが無難なのだろう。
うどんは滅多に外では食べない。このため、昼休みに蕎麦屋で注文した時はメニューを眺めている間は物珍しさがあったものの、腹に消化出来るものを考えた場合、それは限られる。玉子とじにしたものの、それでも消化され難いわかめやナルトが汁より覗く。
(第三百四十一段)