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故郷情景野球場(あかさかふどきじんぐう)

 神宮球場で高校野球を観戦する。いつ以来であろうか。
高校から大学時代にかけてはよく足を運んだ。その多くは西東京大会である。これは母校が西東京大会だったこともあるし、通っていた大学が相原にあり、そこから西東京大会で使用されている球場が近かったこともある。
だけれど、頭には高校野球は神宮球場で東東京大会でなければならない、という思いがあった。これは子供の頃から、毎年夏になると、父親に連れられて見に行っていたからである。これには前にも触れた「東72」系統のバスを使っていた。これが廃止になった後は、約二十分弱を歩いていた。距離にして約二キロ弱である。区外になるが、そうした点で神宮球場には親しみがある。
こうした環境にも関わらず、スワローズを応援しなかったのは不思議である。考えられるのは、父親が連れて行ったのは高校野球がほとんどで、偶に大学野球、プロ野球は皆無だったからである。尤も、その当時、今ほど野球に関心はなく、ルールさえ知らず、何が面白いのかと思っていた。幼稚園の頃である。
当時の神宮球場は、今のような人工芝や電光のスコアボードではなかった。土のグラウンドで、内野は背もたれのない木の長ベンチ、外野は芝であった。スコアボードも手書きであり、雨が降れば消えてしまった。その担当者が、十回の裏から、顔を出して、進行を確認していた。上半身は裸であった。恐らく、中は蒸し風呂状態だったに違いない。懐かしい光景である。
(第三百二十四段)
by akasakatei | 2004-07-20 20:32 | 余暇 | Comments(0)
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