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解真院施夜釜杜(ちえんしゃかいのすすめ)

 今一番に住みたいのは故郷である。交通の良さ、史跡の多さ、坂があり散歩しても退屈しないなど理由は幾らでも見付かるけれど、やはり最大の理由は、生まれ育った町ということに尽きる。
 それでも、旅に出ると、全然似ていない町で、住みたいかどうかは別として、一週間ほどの時を過ごしてみたいと思うことはある。面白いことに、地方とは限らない。
例えば、旅から戻るのは、仕事の関係上、日曜の昼下がりが多い。特に、晴れた時はどこの町も車窓を通すと楽しく見える。中でも、中央線の杉並区辺り、東海道新幹線なら大田区付近にそれを感じる。
一度何の準備もなくそれらの町を歩きたいと考えているのだけれど、未だ訪ねていない。これは後者の場合だと、新幹線なので駅が設けられておらず、その場所が探し難いということがある。
それは兎も角、それらの町に興味を持ったのは、杉並だと午後二時半くらいに銭湯に行く格好の五十代の男性を見付けたからに他ならない。また、大田区は古そうな商店街が目に飛び込み、その周辺に路地が延びていたからである。
どちらも生活感が出ていて好きである。反対に、人工的な町は好みではない。
生活するなら、先の理由にこれを条件として加えたい。車しか走らず、人の行き来がない場所には住みたくない。最近、事件が起きる場所を考えるとこうしたところが目立ち、昔ながらの共同体の良さを知る。
(第二百二十八段)
by akasakatei | 2004-04-15 17:16 | 余暇 | Comments(0)
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