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岩戸傅惱梦草帋指南(このぶんのよみかた)

前に、故郷の銭湯について触れたが、その後、家人によって、銭湯が二箇所しかなかったことが判明した。
 また、乙湯において四十代の女性従業員がいたと書いたけれど、実際には、未だ若く、彼女は我が家にもよく遊びに来ており、Yちゃんと呼んでいたという。
 人の記憶は曖昧なものだが、子供の頃のそれはそうでもないので、これらを知った時、多少ショックであった。とはいえ、Yちゃんについては、一、二歳の目から見たものであり、更に、仕事の間、頭にタオルを巻いていたので、年齢が分からなかったのではないかと思われる。
 何はともあれ、ここで訂正しておく。尤も、この『岩戸傅惱梦草帋』は事実だけを書いているわけでもない。話を分かり易くするため、例え話を用い、中には、プライバシーを保護する意味からも、若干変えている。
 これまで、全てを実際の出来事と読んでいた人もあるかもしれない。面白い話は確かにあるものの、先の理由で、事実を加工している。
 ただ、訂正した段に関しては、故郷の思い出であり、忘れてしまったあの頃を残したい気持ちが強い。ここだけは、事実に基づきたい。
 これが『岩戸傅惱梦草帋』の読み方である。眉に唾を付けながら読んで頂きたい。この文に限らず、多くの書物に対し、読者は常に書かれたことを疑い、考えなくてはならない。受身ではいけない。
(第二百一段)
by akasakatei | 2004-03-04 15:48 | 余暇 | Comments(0)
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