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万十小零五(にんげんこわい)

 仕事場の最寄駅は東京駅である。場所柄、テレビや新聞に出ている顔をよく見かける。
 先日は、元力士のタレントである某とすれ違った。構内を向こうから歩いてきたのだが、体が大きいこともあり、ひと目で誰だか分ったほどである。その姿はまさしく歩く風呂桶である。
 その某だが、弟子かそれとも付け人か、強面の格闘技をやっていたような何人かが周辺にいて、ファンが容易には近付けない雰囲気であった。某は終始視線が定まらず、何かを怖がっている感じである。様子からすると、すれ違ったことなど、余裕がなく気付いていないであろう。想像だが、強面の連中が、実はその筋の関係者で脅かされていたのか。
尤も、その後、何も報じられていないのだから無事なことは確かだが、少々気にはなる。
ところで、怖いといえば、昨夜自宅近くで、生首を抱えた黒服の女性を見た時は驚いた。角から現れた時、最初は首だけが闇に浮かんでいるようで、肝を潰したものの、その姿を追うと、近くの美容院に入って行った。どうやら、その女性はスタッフで、首はマネキンらしい。真相が分かれば何でもないが、突然だと多少動揺はする。   
こう見てくると、他人の行動を理解するのは難しく、この世で一番怖いものは、やはり人間だと改めて認識する。
(第百九十段)
by akasakatei | 2004-02-20 15:23 | 余暇 | Comments(0)
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