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白魚漁(つくだじまさんさく)

 佐貫の酒仙と久し振りに飲む。四月以来だから、五ヶ月振りか。
 一時半に御茶ノ水で待ち合わせたが、飲むまでに間があったので、佃、月島を回ることにする。月島は酒仙の父君の出身地である。これは彼の自己探しのルーツになる。
 何れも徒歩である。新川より入るが、知らないマンションや橋が出来ている。中学生の頃に訪れた時は、目にしなかった建築物である。浦島太郎状態である。が、佃は狭いこともあり、すぐに住吉神社を見付ける。
 住吉神社は佃を語るには忘れてならないものである。江戸の初期に大阪より移住した漁師によって開かれた島で、住吉神社も大阪のそれと関係がある。
二十年以上前も夏に訪れたが、その時は祭りの翌日で後片付けをしていた若者の姿を覚えている。あの当時さえ、地域社会は珍しく、そのために印象に残っているのだろう。この近辺は戦災に遭わなかったためか、古い家が結構残っていたものである。地縁が強くても不思議ではない雰囲気ではあった。それが今では高い建物に囲まれている。プライバシーを重んじるマンションでは地域の繋がりはかなり薄れているであろう。
 ただ、所々に昔ながらの面影を残していることも事実であり、遠くより来たのか、ガイドブックを手に散策をしている人もいる。懐かしさであろうか。
(第百三十五段)
by akasakatei | 2003-09-19 14:25 | 余暇 | Comments(0)
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