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八雲聞(くにづくりのすえ)

 唐土において伝染病が猛威を振るっている。かつてはよく見かけたものだが、医学の進歩もあり、すっかり忘れていた光景である。こうなると、人間の行なっていることは、いつでも変わらないともいえるだろう。そこで誤った道を進まないためにも、歴史を勉強するわけだが、結局は同じ事の繰り返しになることが多い。突き詰めていくと、社会とは何かとなってしまう。
 社会とは即ち文化とも言い換えられる。これは様々であり、社会によっては対立をすることになる。先のイラク戦争もそうだが、先日の米朝も同様である。
 これらから導かれるのはどちらも絶対的に力のある指導者や神を持っていることである。異端を排除する仕組みになっていることである。これはかなり危険であり、しばしば過激な行動を取りやすい。
 反面、これが我が国だと、八百万神の存在が大きく、このため何でも受け入れ易い体制になっている。事実、耶蘇の神の祭りを祝って一週間も経たないうちに新年を迎えたりする。
 こうした社会は珍しく、国際的に誇れるものであったが、地下鉄S事件以降そうでもなくなった。実際、今話題になっている謎の白装束集団についても、世間の見る目は厳しい。
 トラブルを起こす宗教団体を調べるとよく分かるが、それらは一神教であり、狂信的なところが多分にある。排他的なわけだから、合い入れなくて当然であろう。 
 それにしても、これほど宗教が盛んな裏には、よほど自信が得られない心理があるに違いない。所詮、神は人間の想像したもので、かつては規範的な意味を持っていたが、現在では心のよりどころだけである。信仰を持つ者はそれに気付く必要がある。
(第九十二段)
by akasakatei | 2003-05-21 13:35 | 社会心理 | Comments(0)
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