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十二号線内(ローズラインない)

東京を考える場合、下町、山の手、多摩に分けると分り易いけれど、この範囲が年々変化しているという。特に、多摩以外は広がる傾向にあるという。例えば、下町とは柴又辺りまでを入れ、山の手だと吉祥寺近辺までを指すらしい。
 自分の感覚だと、下町だとせいぜい浅草辺りまでで、山の手となると高輪、広尾までとなる。多少差があるが、今の大江戸線内となる。尤も、より年配者となると更に狭くなるに違いない。
 こうした現象を探ってみると、東京の開発がより進んだということだろう。つまり緑が少なくなったということに他ならない。
 『武蔵野』という作品がある。これなどは、今の渋谷辺りの話である。どうみても信じられないであろう。自分の印象だと吉祥寺付近にその面影を見る。故に、吉祥寺までを山の手と呼ぶことに違和感を覚える。
 より付け加えるならば、下町、山の手における移動は徒歩を基本とする。これが出来ない場所については認めるのは難しいのではないだろうか。
 東京を知るには徒歩が一番である。都内の大動脈である地下鉄は人間観察においては優れているものの、東京を把握するには不向きである。路面電車が未だ残っていたならば、これに勝る乗り物はなかったに違いない。つくづく残念である。
 毎日の様にどこかで工事が行なわれている東京は、一日とて同じ表情の日がない。必ずどこかしらが異なっている。それが日常化してしまっているために、気付いた時にはかなりの変貌を遂げてしまっている。かつてそこに何があったかを覚えている人はごく少数である。
 何はともあれ、東京を知るため今日も歩く。
(第四十九段)
by akasakatei | 2002-09-12 12:27 | 余暇 | Comments(0)
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