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報損場(いずれたどりつくは)

千住の写真家よりメールが届いた。何でも、唐土に現在おり、仏の国まで旅をするらしい。三蔵も驚くばかりである。尤も、これが天竺ならば、帰国の暁には聖人になっているのだろうけれど、腐乱巣というのが惜しい。
それにしても、箱根の山を越えるのさえ大変な身からすると、写真家の行動力は敬意に値する。しかも、国外である。国外に出ることはまずないが、それを想像しただけでげんなりとしてくる。言葉、食事、人種など、あまりにも文化の差があり過ぎる。買い物ひとつとっても、億劫になる。かの国では怪しき集団が旅行者を襲うという。こうした時、カードなら安全だというが、国内でさえ未だ危険なものを、どうして海外で使う気になれようか。
カードといえば、最近ではどこの駅に行ってもすっかり自動改札が普通となってしまった。本当にこれは便利なものか。
これまでの経験からすると、必ずしもそうとは言い切れぬ。切符を前の人に持って行かれそうになったし、また機械の処理能力が歩く速さより遅いため出ようとして、通せんぼになったこともある。このため、近頃では専ら有人改札を使っている。
これは、どちらかといえば鉄道会社の都合である。どうも平成以降、銀行を筆頭に自らを中心に据える思考が蔓延している気がする。効率化の下、本当に大切なものを忘れてしまっている。
(第三十九段)
by akasakatei | 2002-07-25 12:14 | 産業 | Comments(0)
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