予定より早く名古屋に戻ると、関ヶ原付近の雪のために新幹線は遅れているという。名古屋八時二十五分発の「ひかり三百一号」で西明石に向かうつもりであったが、七時二十九分発の「ひかり三百三十三号」に変更する。これは西明石には停まらないので、新大阪で、「こだま六百四十五号」に乗り換える必要がある。西明石からは、在来線で加古川に出る。
途中の待ち時間の関係もあるけれど、加古川には二十分ほど早く着く。とはいえ、加古川線の電車は十時二十七分発までなく、結果的には最初の予定と同じ電車となる。乗り換えた分だけ面倒ということになるものの、ダイヤが乱れている場合は早目に移動することは大切である。
加古川線は定刻に真新しい高架ホームを発車する。これは昨年の暮れから使われている。同時に電化もされている。
高架ホームから日岡に向かい、地上に降りる。その際、旧線に目をやれば、線路を外している最中である。ここもいつか線路があったことなど忘れられるのだろう。
隣の日岡で下車。ここから加古川へ戻るものの、次の電車まで三十分近く時間がある。付近を散策するべく、駅前の観光地図を見ると、周辺には神社や古墳、スポーツ施設などがある。これらのうち、日岡神社を訪れることにする。
この神社は案内に寄れば、播州一の安産の神だという。このため、お宮参りの家族連れをよく見掛ける。何れも車で来ている。そうした光景を目にすると、ここもまた縁のない場所ということに気付かされる。
(第五百二十八段)