電車に乗っていた時に聞いた話しである。
六十ちょっと前のオッサンが五十代くらいの部下と話している。内容は自殺だ。
何でも、オッサンの大学時代の同級生が死んだらしい。
「原因は寂しいからだってよ。子供らは独立し、奥さんとふたりだったのだが、奥さんも相手にしていなかったらしい。」
オッサンは呆れたように「馬鹿な奴だ。」と言う。部下は何も言わない。
現在、我が国における自殺者は、ここ数年増え、経済的理由が多い。先のような例は珍しい。
それにしても、食べられないから自殺する人がいることに関し、世の中には気付いていない連中さえいる。
特に、政治家や財界人は疎く、世間知らずと言われても、仕方がない。
何年か前、経団連の代表だった財界人は、「我が国には凍死や餓死する人間はいない。」などと言っていた。
そのような人間が経済界のトップにいたから、世の中の景気は一向に良くならなかった。
政治家も同様だ。
今の状態になるべくしてなったに違いない。
今回の「原発震災」でも世の中に目が行っていないから、原発推進などと間違った答えを出す。
(第二千八百九十二段)