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酔払大声者(めいわくなるもの)

 年末、会社帰りの電車に、男子学生が乗って来た。酒臭いので、早い時間から飲んでいたのだろう。
 生憎、十九時頃の電車だから、空いている席はない。吊り革に掴まりながら、寝始め、前後左右に揺れる。その度に、頭が周囲の人にぶつかる。迷惑この上ない。
 更に、時々、吊り革より手を放し始める。
 慌てて、頭を下げたまま、吊り革を探すも、かなり距離がある。
 漸く、目を開け、手を伸ばすが、その表情は、地獄の底における鬼の形相だ。顔は赤く、目が座っている。
 後日、込んだ車内で、老若男女を怒鳴りながら、前の車輛へと移る五十代くらいの男性がいた。
 見覚えがある。二十年ほど前、今は廃業した地元の本屋で、よくアダルト系の雑誌を買っていた。
 その当時も、よく大声で独り言を言っていた。
 この日は、本屋がなくなったからか、コンビニで先のような雑誌を購入していた。
 ここでもまた、並んでいる行列を無視し、レジに進んでいた。
(第二千六百八十段)
by akasakatei | 2011-01-01 21:56 | 社会心理 | Comments(0)
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