それでも一冊見付け、内容を読むと、音楽ファンは雑音に煩いことが分かり、荷物はクロークに預け、咳やくしゃみは演奏中には出来ないことが分かる。
何故、気を遣うか。
数年前、ドラマや漫画などの影響で、俄に足を運ぶ人が増え、純粋なファンとの間で、トラブルが増えたと新聞で読んだ記憶があるためだ。
当日、早目に行き、まず、客層を確認する。指揮者が有名なためか、様々な層が来ている。若い女性も多い。庶民的な格好の人もいる。意外に少ないのが、三十代の男性だ。
開場後、すぐに、公演プログラムを購入する。
曲は、ワーグナーの楽劇『ニュルンベルクのマイスタージンガー』より第1幕への前奏曲、ドヴォルザークのチェロ協奏曲ロ短調作品104,B.191(第1楽章アレグロ 第2楽章アダージョ・マ・ノン・トロッポ 第3楽章アレグロ・モデラート)、ショスタコーヴィチの交響曲第5番ニ短調作品47(第1楽章モデラート―アレグロ・ノン・トロッポ 第2楽章アレグレット 第3楽章ラルゴ 第4楽章アレグロ・ノン・トロッポ)となっている。
(第二千六百六十六段)