三越劇場へは、東京駅までの定期券があるので、地下鉄を使ったことはない。
劇団若獅子公演の時は、いつもと違うルートで入った。
というのも、体重を落とすためで、神田から歩く。三越劇場までは一本道だ。
その一本道の大通り沿いで歩くと、十分ほどで着く。これでは、東京駅からの方が遠い。運動量も少しで、また、帰りに同じ道を歩いても面白くないから、戻りは路地を曲がりながら進む。
今まで、神田では何回か下車した。
下車しても歩くのは山手線の内側ばかりで、意外と外側は歩いていない。
劇場は日本橋にあり、交差点を渡った辺りより路地に入る。
今まで、名前だけを知っていた店がある。ここにあったのかと思う。
曲がっている間に、大通りに面した今川橋跡に出る。昭和三十年代の地図によると、都電の電停があった場所だ。
橋は天和年間に出来た。手元の幕末の地図では、既に、今川橋跡となっている。早い時期に埋め立てられたのだろう。
神田に入ると、サラリーマンが好みそうな店が多い。
一度、ゆっくりと時間を掛け、歩いてみたい。
(第二千五百六十八段)