人気ブログランキング |

劇団若獅子公演(しんこくげきのせいしんとでんとう)

 八月二十九日、三越劇場へ劇団若獅子の昼公演を観に行く。
 演目は、『特攻の郷 知覧』と『蛍火 お登勢と龍馬』である。
 これまで、この劇団の芝居を観たことはない。観に来る気になったのは、劇団若獅子が新国劇の精神と伝統を受け継いだものと聞いたからだ。ただ、後継劇団ではない。
 新国劇には、芸術性と大衆性があったという。歌舞伎や新派、新劇とはまた異なるようで、関心を持った頃には、なくなっていた。残念のひと言である。
 この日に来た客層を観察すると、前方には、演劇をしている雰囲気の若い男性らが座っている。
 それを除くと、年配女性ばかりで、歌舞伎で見掛ける若い女性はほとんどいない。
 まず、『特攻の郷 知覧』は、軍指定の食堂を経営するおばさんとその周囲を、時間を追って描く。今年の八月十五日の式典での天皇の言葉が流れたことは意外だった。
 隣席のおばさんは泣き出し、鼻を啜っていた。
 そうしたやや重い芝居だったにも関わらず、周囲の迷惑を省みない人もおり、遠くから話し声が聞こえた。
 もうひとつの『蛍火 お登勢と龍馬』も、ある意味では、国を思う若者の話しともいえる。こちらには殺陣がある。
 この芝居は、休憩後で、客席のあちこちより、コンビニ袋や土産の包みを開く音が聞こえ、耳触りであった。
(第二千五百六十七段)
by akasakatei | 2010-09-10 19:48 | 文芸 | Comments(0)
<< 神田路地歩(かんだやまのてせん... 郊外終点地(みっつのじちたいき... >>