ラグビー場を後にし、故郷に向かう。久し振りに、越生の法家と杯を交わす。法家が越生の住人になって以来、なかなか機会がない。明日は日曜である。ある程度遅くてなっても構わない。
青山から故郷に向かう途中、薬研坂を右手に見る。ここは再開発されている。かつては木造の住宅が密集していた。今は跡形もなく、建設中の鉄骨があるだけである。
また、TBS周辺も再開発が行なわれている。囲いがしてあり、中は伺えない。ただ、空き地となっていることは分かる。ここにあった店はどこに行ったのか。かつてを知った店がなくなるのは寂しい。
そうしたことを法家に話す。
訪れる度に、故郷は変わる。故郷の学級委員はどういう思いで変わり行く町を眺めていくのか。
ふと、ここで思い出す。
確か、学級委員がラグビーをやっていたとどこかで聞いた。これを早くに思い出せば、事前に聞いて、楽しみ方のポイントが分かったはずである。
そのうちに確認してみることにする。
その夜は、母校の優勝と変わりゆく故郷を見たことで、変な酔い方をする。
(第四百六十六段)