二十一世紀にもなり、これほど人権が無視されるようになるとは、正直、思っていなかった。
日常生活において、普通に働いても食べていけず、また、求職者については、容易に職さえ見付けられない。
一方、現在、働いていても、会社の業績によっては、簡単に失業させられる時代である。
組織は、それに対する割増を払えば良いと考えているのだろうけれど、対象となった者は、一生、納得が出来ないに違いない。
その理由は、組織により様々とはいえ、所詮は、言い訳に過ぎない。
要は、経営幹部が無能だからで、人員整理しか頭に浮かばない。仮に、人員整理に着手するなら、最初に去らねばならないのは、経営幹部である。それが筋というものだろう。これまで、それに手を染めた連中がいれば、自らが無能だということを肝に銘じることである。
それに、こうした連中は、先が読めないこともあり、人員整理された者らの心理まで分からず、将来へのことまで想像出来ていない。
というのも、路頭へ迷った人は、まず人を信じなくなり、更に、人員整理された組織の悪評を言うはずである。これにより、どういったことが起きるか。
それにしても、未だ、この国の政府への信用があるのが不思議である。
(第二千四百五十五段)