秋葉原より亀戸へ出、東武亀戸線経由により曳舟へ向かう。地下鉄で浅草から行っても良いけれど、結局は安いルートにする。
曳舟は、比較的訪れることの多い町である。
というのも、鳩の街や故滝田ゆう氏が関係しているからである。それに京島へ行く場合もここを利用する。思えば、あまり江戸関係で来たことはない。
今回は珍しく、江戸関係である。友人らと江戸より人気のある長命寺の桜餅を求めるためである。
ここの桜餅は何回か食したことはある。とはいっても、はとバスツアーのお土産や知人に貰って食べたくらいで、自ら、店を訪ねることはなかった。
駅より、かつての面影が残る路地をそぞろ歩く。途中、一度だけ入ったことのある料亭の前を通り過ぎる。
ここまで来ると、店は近い。
丁度、時期なので、店は込んでいる。
桜餅を片手に隅田川沿いを進む。かつてと比べ、青いテントは減った。
これを見て、不景気が減ったと考えるか、それとも、亡くなったと思うか。
波に漂う都鳥はそれを知っているだろう。
(第二千四百一段)