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時代物現代組織(じだいもののたのしみ)

九月五日、歌舞伎座さよなら公演の昼の部に足を運ぶ。
演目は、成駒屋と花形役者らの『お祭り』以外は、時代物が並ぶ。
若い高麗屋の『竜馬がゆく(最後の一日)』は新作歌舞伎である。
時代物の場合、勤め人ならば、組織と個人の関係を考えると、理解がし易い。
そう捉えると、日々の上司の理不尽さに思い当たることもあるに違いない。
『時今也桔梗旗揚』における光秀役を演じる播磨屋の謀反までの過程は、日常を思い出させる。
上司である春永の仕打ちは、それこそ、どこの会社にでもありそうな話しだろう。
耐えている者にとって、この播磨屋のように、いつか決意したいものと考える。
高麗屋の『天衣紛上野初花(河内山)』も、ある意味では、日常と重なる。
ここでは我儘な殿様に追従する重役が出て来る。
目先の利益ばかりを考え、その先を読めない人間である。
最後に、この重役に対し、主人公が「馬鹿め。」と言うことで、観客は喜ぶことになる。
(第二千二百六段)
by akasakatei | 2009-09-14 20:00 | 文芸 | Comments(0)
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