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歌舞伎座文月通(かぶきざしちがつさよならこうえん)

 歌舞伎座の七月公演へ行く。昼夜通しである。
演目に関しては、昼の部が『五重塔』、『海神別荘』、夜の部が『夏祭浪花鑑』、『天守物語』である。
出演者は、若い成田屋、大和屋、澤瀉屋らである。
こうした顔触れのため、席はいつもの三階ではなく、一階の後方である。
今回、並んだ演目を見ると、昼の部などは、それこそ新歌舞伎というものとなっている。また泉鏡花の作品が目立つ。
泉鏡花の作品は、台詞が分かり難い印象があるものの、全体からすると、観終わった後に、感じるものがある。
特に、『天守物語』は勤め人の我が身を振り返ると、上司の理不尽な指示に対し、常に疑問を覚えていることもあって、成田屋演じる主人公の境遇と重ねてしまう。
もうひとつの作品の『海神別荘』でも、外見で判断する人間の醜さが語られる。
 ハープの伴奏も入り、これまでの歌舞伎とは異なるものとなっている。
(第二千百六十六段)
by akasakatei | 2009-08-05 21:25 | 文芸 | Comments(0)
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