十一時過ぎに、黒船橋乗船場に戻る。
動力船は三分前に出てしまい、次は十三時という。
そこで、昼食を食べることにする。
医師より、「消化の良いものを。」ということなので、うどんにする。
そこで一軒の個人で経営する蕎麦屋の店先に立つ。
メニューを見ると、良い値段である。気軽に何度も足を運べる店ではないようである。
それでも、他になく、ここにする。
驚いたことに、入っても挨拶もなく、営業中なのか否かも不明である。
それでも、すぐに注文を取りに来たから、営業中だったのだろう。
天井近くにあるテレビでは、この日から始まった選抜高校野球が点けられている。
うどんを運んで来たおかみさんは、経過が気になるらしく、視線をすぐにテレビへ移す。
食べながら観ていると、打った瞬間にホームランと分かる当たりが出た。
(第二千三十六段)