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天空花(ばんじんのぞむは)

佐貫の酒仙に誘われて、大川の花火見物に行く。自慢ではないが、これまで花火大会に出向いたことない。江戸年中行事において、川開きは重要であり、本来なら追体験する者にとっては外せないものだが、あの人ごみを考えるとつい億劫になってしまっていた。何はともあれ、今回その一端に触れられたのは、江戸を知る上で何かの役に立つに違いない。
今回、そんなに準備に時間を掛けず、また直前まで居酒屋で杯を傾けていたこともあり、ほろ酔い加減だったこともあり、墨田区側の高速道路の下に陣取る。この席は、芝居でいえば三階席、球場なら外野席といったところであろう。
そこより、観察すればよくもこんなに集まったと思うほどの人であり、若者の姿も目に付く。浴衣も多い。最近の地域の催しでここまで参加しているのは珍しいだろう。また、地域の商店街なども軒並み、早い時間に営業を終えており、その意気込みが分るというものである。尤も、観光的な匂いも混じり、江戸における川開きとは意味がやや異なってしまっているのは残念である。現に、駅より吐き出される数はどうか。どこら辺より来たのだろう。
それにしても、浴衣姿で煙草を吸う姿を見かけたけれど、どうも粋ではない。様になっていない。折角の浴衣が台無しというものだろう。
何事であれ、外見より入るのは大事だけれど、中身が伴わないと興ざめするばかりである。
(第四十段)
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by akasakatei | 2002-07-28 12:15 | 余暇 | Comments(0)

報損場(いずれたどりつくは)

千住の写真家よりメールが届いた。何でも、唐土に現在おり、仏の国まで旅をするらしい。三蔵も驚くばかりである。尤も、これが天竺ならば、帰国の暁には聖人になっているのだろうけれど、腐乱巣というのが惜しい。
それにしても、箱根の山を越えるのさえ大変な身からすると、写真家の行動力は敬意に値する。しかも、国外である。国外に出ることはまずないが、それを想像しただけでげんなりとしてくる。言葉、食事、人種など、あまりにも文化の差があり過ぎる。買い物ひとつとっても、億劫になる。かの国では怪しき集団が旅行者を襲うという。こうした時、カードなら安全だというが、国内でさえ未だ危険なものを、どうして海外で使う気になれようか。
カードといえば、最近ではどこの駅に行ってもすっかり自動改札が普通となってしまった。本当にこれは便利なものか。
これまでの経験からすると、必ずしもそうとは言い切れぬ。切符を前の人に持って行かれそうになったし、また機械の処理能力が歩く速さより遅いため出ようとして、通せんぼになったこともある。このため、近頃では専ら有人改札を使っている。
これは、どちらかといえば鉄道会社の都合である。どうも平成以降、銀行を筆頭に自らを中心に据える思考が蔓延している気がする。効率化の下、本当に大切なものを忘れてしまっている。
(第三十九段)
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by akasakatei | 2002-07-25 12:14 | 産業 | Comments(0)

怪風呂(もののけてんまつ)

梅雨明けは未だ出されていない。七月も半ばだというのに、どうしてしまったのだろうか。これでは知らぬ間に秋が訪れているかもしれない。
 夏といえば、よく怪談が話題になる。芝居や落語でも、そうした演目が選ばれる。その種の話は信じない方である。周辺でもそうした経験がない者がほとんどだが、唯一、栢山の大家だけが違う。
家全体に何かがいるという。そのため、夜など電灯を消さないで寝るらしい。また、隣室へ行くにも、一声かける必要があるともいう。大家というほどだから、その敷地は広く、そこにはアパートもある。その住人からも、怪現象についてのクレームがあり、対応に困ると零していた。尤も、住人を決める時、予めそれについては説明しているのだが、誰も本気にはしないようである。
当然である。論理的に生きている者にとって、それは冗談以外の何と説明したらいいのだろうか。それが、最近、この意見についてやや検討を要することになった。というのも、怪現象が我が家で続くのである。場所は風呂場である。電気がひとりでにつく。また、入浴時には足拭き用のマットがなかったのに、出てくるとそこにあったりする。尚、この間家人は留守であった。これは説明に困る。
結果としては、たぶん、電気の接触やマットがそこにあることに気付かなかったということだろう。どう見ても物の怪の仕業とは考え難い。
それにしても、普段、科学を叫んでいるのに、こういった現象をすぐにおかしな方向に結び付ける人があまりにも多い。全く面白い。それを本人も矛盾と知らないのだから、いい加減なものである。
(第三十八段)
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by akasakatei | 2002-07-13 12:12 | 余暇 | Comments(0)

天砂祭(ねがいにむかい)

七夕である。最近では笹が手に入り難くなったこともあるけれど、楽しむ家を見かけなくなった。マンションやアパートで暮らす人が増えたことも関係あるだろう。
元々、七夕は五つある節句のひとつである。その五つとは、正月七日、三月三日、五月五日、七月七日、九月九日である。この中で、年中行事として残っているものもあるが、廃れてしまったものもある。
年中行事が消えていくのは寂しい。それだけ、季節感が無くなっているのだろう。更に考えていくと、年中行事は食とも密接な関係がある。それには、勿論菓子も含まれる。
和菓子屋に行くと分るけれど、季節には敏感である。見ているだけで楽しい。若い人だと、質より量を重視することもあって、物足りないかもしれない。ただ、健康に関していうと、カロリーも低いため身体には良いはずである。
 先日、佐貫の酒仙と飲んだ時、医師より健康面の注意を受けたという。酒仙の場合、あっさりしたものよりこってりしたものを好む。彼によると、天婦羅でさえ淡白なものだという。そこら辺が問題なのだろう。
 何はともあれ、一番付き合いの長い友である。そんなに詳しくはないが、和食の楽しみ方について説明をしておいた。
 それにしても、周りで体調を崩す人間が多い。何人かは入院する羽目になっている。本来なら、年中行事を楽しむような生活こそが理想に違いない。現代では、それは難しい。せめて、食生活だけでも旬を楽しみ、体調の維持に努めたい。
(第三十七段)
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by akasakatei | 2002-07-07 12:11 | 余暇 | Comments(0)