カテゴリ:旅( 9 )

湯島寺(てらからてらへの)

蕎麦屋を出ると、一時前である。川口の清掃職人と合流するまでに時間がある。そこで、まずは近くにある霊雲寺を訪れる。
ここは『江戸名所図会』にも挿絵付きで出て来る寺である。また、芝居の『盲長屋梅加賀鳶』の舞台でも使われているけれど、建物が新しく、アスファルト化されていることもあり、趣とはほど遠い。
参拝するべく、建物の階段を上がれば、かなりの高さだと思われるものの、周辺のビルの方が更に高いこともあり、遠くまでは見渡せない。ただ、境内の配置を知るには良い。鐘が隅に無造作に置かれ、裏には古い地蔵が並べられていたりする。
そこを後にし、今度は、麟祥院に向かう。
ここには、春日の局の墓があるという。境内は鬱蒼としており、門には座禅の案内が出ている。煩悩に悩む毎日なので、興味はあるけれど、ここまで通うのは辛い。尤も、こう思う時点で駄目なのだろう。
境内に入れば、本殿への門は閉じられ、自由に歩けるのは墓地しかなく早々に出る。
足の向くままに歩いていると、東大の横に出る。ここら辺は古本屋が多かった印象があるのに、今ではあまり目にしない。代わりに増えたのが眼鏡屋のようで、何軒か置きにある。東大生と眼鏡は切り離せないイメージはあるものの、実際のマーケッティングにおいて、何か確実なデータでも存在するのだろうか。そうでも考えないと、この店の多さは納得出来ない。
塀伝いに進むと、やがて有名な赤門である。
中学生の頃、ここから三四郎池に入ったことがある。家鴨がいたのはちょっと意外だったけれど、緑も多く、散策には適していた。ただ、今回はそこには向かわず、トイレを拝借するだけにする。
(第五百四十七段)
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by akasakatei | 2005-02-28 22:04 | | Comments(0)

修幡白(あいちきゅうぜんや)

 愛知万博までひと月余りである。最初に知った時は、別段行く気もなかったけれど、そこにリニモ(東部丘陵線)とIMTSが走るとなると話は違う。
 これらは鉄道扱いで、これらに乗らないと全線完乗にはならない。リニモは磁気浮上式の鉄道で、一方、IMTSは、今までにはないシステムのため、イメージが分かり難いものの、公式ハンディブックによれば、ITを活用した大型低公害バスが自動運転で隊列走行を行なうらしい。
 この公式ハンディブックについては、当日、これらに速やかに乗るために、他の目的で本屋に足を向けたところ、並べられていたので購入した。尚、万博への入場券は昨年の大晦日に実券を既に手に入れ、宿泊先も確保してある。後は、新幹線の手配だけである。多少は空くと思われる五月下旬に行く予定のため、それには未だ早い。
 知識を得るべく、公式ハンディブックを読むと、ほとんどが関心のないパビリオンである。特に行きたいところもないけれど、確か、中国のそれは上海の運び屋が日本事務所の責任者をしていると聞いている。顔を出さねばなるまい。他には、リニアとマンモス関係が目を引く感じである。何れにしろ、かなりの人出と予想され、待ち時間も考えると多くは回れないだろう。まずは第一の目的を果たしたい。
(第五百四十二段)
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by akasakatei | 2005-02-23 21:15 | | Comments(0)

大小友(まちくらべ)

先段の続きである。
ポケモンセンターへの列には流石に大きなお友達はいない。大きなお友達が通う秋葉原と仕事場は近いものの、寄っていくことはないようである。仕事場近くには、他にも世界名作劇場関係の店がある。そこでも見たことはない。となると、仕事場周辺はキッズ関係と色分けがなされているのかもしれない。
確かに、秋葉原を歩くとマルチメディアの町であり、小学生以下の子供は見掛けない。集まる人々も聖書を研究している年配の女性ではないけれど、強烈な印象を受ける。早朝寄席の帰り、そこのある和食店に入ったところ、色々と哲学を語り合っていた。聞いていると、用語や思考が独特で理解し難いものがある。
ところで、そこから更に歩を進めると、現在、老舗の書店が立替中である。中は覆われており、様子は分からないものの、囲んだ鉄板には地元の江戸からの変遷が掲げられている。昭和三十年頃のそれは懐かしい町並みの写真である。当然都電も写っている。一般的に、工事現場は無味乾燥であり、早く通り過ぎたくなるものである。それがこうした企画で足を止めたくなるのである。こうした気遣いで印象が大きく変わる。
(第五百三十六段)
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by akasakatei | 2005-02-17 22:01 | | Comments(0)

異形地下街(てんじんちかがい)

 福岡市営地下鉄空港線の天神から七隈線の天神南までは徒歩連絡となっている。天神の改札を抜けると案内表示があり、それに従う。どうやら、地下街で繋がっている様子である。雨の日には有り難い。
 この地下街は多少変わっており、洞窟のように暗い。非常時は大丈夫なのか。
 それにしても、地下街は土曜の午後だからか凄い混みようである。すぐ前を行く人の歩き方が遅いため、人の間を縫う様に進む。観察したところによると、あちこちで通路の途中だというのに、立ち話をしている連中を見掛ける。他人への迷惑を考えていない。
 そうした中、チラシを配っている人もいる。受け取れば、この地下街の案内である。それによれば、七隈線の開業により、この地下街も生まれ変わったとある。これで納得する。新しくなってから初めての土曜なので、この人出なのだろう。また、この地下街が暗いのは十九世紀のヨーロッパを真似したからだという。鉄、レンガ、石を基調にし、光と影による落ち着いた空間を演出したらしい。だけれど、夜などひとりで歩く気分にはなれない。
 十分ほど歩いて、やっと七隈線の改札が見えた時はほっとすると同時に、そこにもまた人の群れがいて、疲れを覚える。地元の初乗り体験者である。地方の地下鉄では意外とこの種の客が多い。
 七隈線はミニ地下鉄のため、車内は立錐の余地もない。特に、運転室のすぐ後ろが混んでいる。これは運転室との仕切りが下半分しかなく、運転士の感覚に浸れるからだろう。一般的に地下鉄は、カーテンで隠しているから、この感覚が物珍しいことは確かである。
(第五百三十段)
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by akasakatei | 2005-02-11 21:02 | | Comments(0)

博多地下駅商売(ふくおかりゅうあきない)

 日岡より在来線経由で姫路に出る。姫路からは十二時二十一分発の「ひかり三百五十九号」で博多に向かう。この電車は、普通車でも座席が二列二列の配置のため、ゆったりとしている。ただ、その分、定員がなくいつでも乗車率は良い。
 十四時三十六分、博多着。駅近くのビジネスホテルに荷物を置き、身軽になった状態で福岡市営地下鉄七隈線に乗りに行く。それには天神南まで行かねばならない。博多からだと、同じ市営地下鉄の空港線で天神まで行き、そこから多少歩く必要がある。
 博多で切符を買ってホームに下りると、七隈線の開業を知らせるポスターがあちこちに張られている。それを眺めると、開業記念で二月十四日まで一日乗車券が六百円のところを五百円だという。ポスターが自販機の近くにあれば、それに気付き、間違いなく買っていただろう。博多から七隈線の終着の橋本まで片道で三百二十円もする。
 いつも書くように、利用者の視点に立った商売をしないと、すぐに横を向かれる時代である。特に、博多は観光の玄関口である。今回のような商売をしているようでは、観光客に悪いイメージを残すことは否定出来ない。一度傷付いた信用はなかなか回復しないものである。肝に銘じるべきである。
 この後、各駅を観察したところ、七隈線と比べ空港線や箱崎線ではその一日乗車券に対し力を入れている節はなかった。新線開業との温度差とも思えるものの、一方では、高い運賃を払わせることにより収入を増やそうとしているのではないかとも勘繰りたくなる。
(第五百二十九段)
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by akasakatei | 2005-02-10 20:55 | | Comments(0)

播州神(ひおかもうで)

 予定より早く名古屋に戻ると、関ヶ原付近の雪のために新幹線は遅れているという。名古屋八時二十五分発の「ひかり三百一号」で西明石に向かうつもりであったが、七時二十九分発の「ひかり三百三十三号」に変更する。これは西明石には停まらないので、新大阪で、「こだま六百四十五号」に乗り換える必要がある。西明石からは、在来線で加古川に出る。
途中の待ち時間の関係もあるけれど、加古川には二十分ほど早く着く。とはいえ、加古川線の電車は十時二十七分発までなく、結果的には最初の予定と同じ電車となる。乗り換えた分だけ面倒ということになるものの、ダイヤが乱れている場合は早目に移動することは大切である。
 加古川線は定刻に真新しい高架ホームを発車する。これは昨年の暮れから使われている。同時に電化もされている。
 高架ホームから日岡に向かい、地上に降りる。その際、旧線に目をやれば、線路を外している最中である。ここもいつか線路があったことなど忘れられるのだろう。
 隣の日岡で下車。ここから加古川へ戻るものの、次の電車まで三十分近く時間がある。付近を散策するべく、駅前の観光地図を見ると、周辺には神社や古墳、スポーツ施設などがある。これらのうち、日岡神社を訪れることにする。
 この神社は案内に寄れば、播州一の安産の神だという。このため、お宮参りの家族連れをよく見掛ける。何れも車で来ている。そうした光景を目にすると、ここもまた縁のない場所ということに気付かされる。
(第五百二十八段)
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by akasakatei | 2005-02-09 20:57 | | Comments(0)

開港前(ちゅうぶこくさいくうこうかいぎょうまえ)

 翌五日、名鉄名古屋発五時二十三分発の急行で中部国際空港に向かう。この時間、外は未だ暗い。
 始発ということもあり、車輛にはひとりかふたりしか乗っていない。このため、暖房は入っているのだろうが、効き目はなく、どこからか入ってくる隙間風に震える。この電車の終点到着予定時刻は六時四分である。それまで、我慢しなければならないと考えると、最早我慢比べといえる。
 相変わらず、外は暗く、常滑を出ると、前方に空港特有の明かりが見える。たぶん、空港は昼間眺めるよりも、夜間に見た方が殺風景なものが消え、綺麗なのではないだろうか。
 六時四分、中部国際空港着。
 ここにはホームドアがある。ホームには暖房が入っており、車内よりも暖かい。下車したのは数人である。何れも空港関係者のようである。中部国際空港は開業前なので当然だろう。
 改札を出れば、この日は何かイベントがあるらしくステージが作られている。そこに手持ち無沙汰気味な警備員がいる。何のイベントかと思い、張り紙を見れば地域住民への見学会が行なわれるらしい。
また、交番もある。ドアが閉まっているので、よくある空き交番かと考えながら覗けば、若い警官がふたりコンコースに向いて座っている。
何れにしろ、今、この空間において一般者に居場所はなく、すぐに出る特急で早々に折り返す。
(第五百二十七段)
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by akasakatei | 2005-02-08 20:55 | | Comments(0)

御地流麦酒(さいさきの)

 一月二十九日、名鉄空港線が開業した。常滑から中部国際空港までの四・二キロである。これに乗るべく、二月四日、仕事が終わった後、東京二十時三十三分発「のぞみ七十七号」の乗客となる。
 今回の予定は、この日は名古屋で泊り、翌日、始発で空港線を往復し、その後、JR加古川線の加古川付近の高架化、そして、博多まで足を延ばすつもりでいる。
博多では数日前に福岡市営地下鉄七隈線が開業したばかりである。こうなると、時間的に、博多でも一泊せざるを得ず、多少荷物が必要となってくる。いつもより大きな鞄を持って来た。昨年十月にも、今回と似た旅をした。その時は、林家こん平師匠の言葉を借りるなら「帰りの鞄には若干の余裕」がなく、土産物を持って帰るのに苦労をした。
 そうした経験より、大き目の鞄を持って来たものの、車内ではどこに置こうかと思う。網棚に上げるべきなのだが、金曜のこの時間の新幹線は会社員で満員であり、網棚から下ろすのは周辺の客に気を遣わなければならない。となると、座席の下だけれど、今度は足を置く場所がない。迷った末に、網棚に乗せる。
 東京を定刻に発車する。あちこちから、缶ビールを開ける音が聞こえる。隣に座った会社員も例外ではない。年齢は四十半ばくらいか。ビジネス書を読んでいる。
 缶ビールを座席供え付けのテーブルに置き、視線は本に落としたままで、ビールに手を伸ばす。よく落とさないものだと眺めていると、電車が揺れた際に勢い良くビールが床に落ちる。それは最初に鞄を置こうとした場所である。もし、置いたままなら完全に被害に遭っていただろう。そういう点では、幸先の良いスタートである。
(第五百二十六段)
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by akasakatei | 2005-02-07 21:22 | | Comments(0)

煎耐嫌(ぎじたいけん)

 この休日、新宿駅西口のみどりの窓口に行く。来月、名古屋と福岡に行く予定なので、その切符の手配である。
 連休の初日だけれど、珍しく七人ほどしか行列を作っていない。ここはフォーク状になっていることもあり、すぐに順番が来ると思っていたものの、それは間違いであった。窓口には担当が三人いるけれど、ひとりの発券に十分以上を費やしている。
 聞いていると、客が希望の列車が満席であれこれ相談を持ちかけているようである。何れも年配者である。
 どうして、満席の場合を想定して来ないのか。このため、折角の機械が遊んでしまう。後ろでつい考える。JRもチラシやポスターで呼びかけるべきである。また、購入者も備え付けの時刻表があるのだから、一旦、列を離れ、列車を調べてから並びなおすべきである。これが他人に対する気配りであろう。
 このような結果、行列は長い時で三十人ほどになり、順番が来たのは並び始めてから三十分経った頃である。改善が望まれる。
 最近、どこのみどりの窓口に行っても混んでいるけれど、不慣れな客が目立つ。このため、そこを敬遠し旅行会社を利用することもあるけれど、JRに不慣れな社員が多く、ちょっと複雑な経路を依頼すれば、間違って発券されることもしばしばである。経由や乗り継ぎにおける割引などが弱い。こうした経験から、余程のことがない限り、餅は餅屋に任せている。
(第三百八十九段)
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by akasakatei | 2004-09-23 10:26 | | Comments(0)