国立演芸場の十月中席へ行く。
中席の主任は、雲助師匠である。今回、「雲助廓噺儚五十年廓種々」とし、事前に噺が発表されている。
足を運んだ日は、『お見立て』であった。
師匠によれば、最近、この種の噺は廃れているという。
廓を知らない人間が増えれば当然なのかもしれないけれど、芝居では未だ上演されている。
そう考えると、落語でも残していって貰いたいと思う。
この日、他の出演者は、馬楽、初の女性真打になった歌る多、左龍らの各師匠であった。
また、初めて笑生さんの噺を聞いた。注目していた噺家である。
これについては、以前に触れた。
色物では、ホンキートンク、元九郎さん、代演のダーク広和さん、ニューマリオネットであった。
全般的に、前座の小ぞうさんより、客席内は笑いに包まれ、中入り後もそれは続く。
こうしたことは珍しい。
(第千九百二十五段)