電車内で見掛けた人について記す。
朝、中央線内において、ドア付近で立ちながら寝ている女性がいる。年は三十代半ば過ぎか。
膝が落ちながらも、すぐに体勢を立て直す。器用というのか。
だけれど、髪を振り乱し、口から涎を垂らしている姿は、他人には見せられないものである。
同日夕方、小田急線内で、立ってヨーグルトを食べている男性がいた。年は五十近くか。
夕方のラッシュでも、小田急はかなり混む。そうした中、ヨーグルトを食べている姿は、迷惑以外に言いようがない。
仮に、電車が揺れ、ぶつかったらどうなるか。
大人とは、そこまで考えるものだろう。
察するに、地方出身者か。
地方出身者は、電車への乗り方を知らない。
車内が公共の空間であることを忘れている。
以前にも、これについては触れた。
一般的に、江戸より住んでいる者は、他人へ迷惑を掛ける乗り方を代々しない。
(第千六百四十四段)