二月の頭に生まれた故、自動車の免許更新はひと苦労である。というのも、一月の最初の日曜日は、更新業務が年末年始は休みのため、その間に生まれた人達が押し寄せるからである。
案内によれば、八時半からとのことだったので、朝一番のバスを乗り継ぎ、府中の免許試験場まで行く。
七時半前に着いたものの、寒さもあり、トイレに行きたくなる。
見回してもコンビニが見付からず、仕方なく、試験場前にある多磨墓地内でトイレを探す。
ここには我が家の墓があるけれど、墓地内は広いので、トイレがどこにあるかまでは把握していない。
それにしても、高い建物がなく、見晴らしは良い。
漸くトイレを探し、試験場まで戻ると、行列が出来ている。
七時五十分頃、中から警官が出て来て、八時に開けるという。混んでいるからか。
何れにしろ、有り難い。
八時一分前、スピーカーより、高らかに、放送が流れる。
ここには五年に一回しか来ないため、すっかり手続きの流れを忘れている。
いつの間にか、申請用の写真も必要なくなり、免許もICチップが埋められたものになっている。
(第千六百六段)