正月三日、品川に下りる。
わざわざ品川まで来たのは、都バスの品川車庫へ行くためである。
ある筋より、故郷を走っていた「東72」系統のバス停が放置されていると情報を得たためである。
このバスについては、以前に触れた。
ただ、ここで問題があった。その情報が品川車庫入口付近だったからである。
付近には、品川車庫と品川車庫入口のふたつのバス停がある。これを丹念に辿る他ないと歩き始める。
まず、品川車庫入口には、そうしたスペースがなく、品川車庫と確信する。
そう確信したものの、ここでまた問題が起きる。
というのも、バスの車庫が通りを隔て、複数あったからである。
その敷地を探したところ、ついに発見する。
新宿駅西口に置かれたバス停である。かなり錆びれ、手書きされた日曜のダイヤは読めなくなっている。
そういえば、当時は手書きだったことを思い出す。
(第千六百三段)