人気ブログランキング | 話題のタグを見る

大向裏(しばいはごらく)

 先に、国立劇場へ行ったことに触れた。席は三等席の最後列で、出入口のすぐ脇であった。
 ここで気になったことがある。
 それは出入口近くに立ち、役者の屋号を掛けていた人がいることである。手を動かす度に、影が気になる。
 こうした人達は、ある筋によれば、組織を作っているという。見せ場では屋号を掛け、芝居を良くしようとしているとのことである。また、変なところで屋号を掛ける人には止めるように注意するらしい。
 正直、困惑する。
 芝居は個人が自由に楽しむものである。見せ場が詰まらない場合もある。個人的に面白いと思うところは異なるはずである。
 また、こうした前に、他の観客に対し、観劇の邪魔になっていることが分からないのか。
 それに、この種の人達は、見せ場の時間を見計らい客席に入り、出たりする。芝居そのものを楽しんでいるとは思えない。
 プロ野球における外野席の応援団のようなものの、芝居は芸術よりも、娯楽である。ここに、その行動を厳重注意したい。
(第千五百十八段)
by akasakatei | 2007-10-27 20:09 | 文芸 | Comments(0)
<< 伊賀養老旅出発(かんなづきしん... 上方若高麗(うぐいすばなし) >>