歌舞伎座での八月納涼歌舞伎の第一部へ行く。
演目は、『磯異人館』、『越前一乗谷』である。
本来ならば、第二部へ行きたかったものの、予約の電話が通じた時点で満席であった。仕方なく、第一部のみとする。
第一部の演目は珍しいものである。最初のものは応募脚本での新作、後者は故水上勉氏の作品である。
席は、今までに座ったことのない東側の三階B席とする。ここからだと花道が観られる。
新作のため、花道はあまり使わないだろうが、思い出とする。上演時間も短いから、あまり観られなくとも、後悔はない。
演じるのは、花形役者である。
『磯異人館』では、若き中村屋と沢瀉屋に目が行く。個人的には、松島屋に注目していた。イギリス人役である。いつもと異なり、意外に強烈な印象がなかった。
『越前一乗谷』は舞踊である。ご馳走として、中村屋や大和屋が出る。
ただ、印象は薄い。
何れもあまり上演されない演目ということもあり、客席は空席が目立つ。やはり、何回も演じられるることにより、洗練されることが重要である。珍しさだけでは駄目である。
(第千四百七十三段)