五月に国立劇場での公演が恒例となった前進座歌舞伎を観に行く。今年は、『毛抜』と『新門辰五郎』である。
毎年、前進座の公演で思うのは、根強いファンの存在である。客層が異なる感じである。
尤も、この日は満席でなく、空席が若干ある。
夜の部だったこともあるだろう。四時半より八時二十分までである。
この時間になると、歌舞伎座と異なり、国立劇場周辺では食事をする場所に困る。
劇場内の食堂で済ましてしまうのも良いのだけれど、財布の関係上、簡単に入ろうとの気にはなれない。
弁当を利用しようと思っても、いつも同じで飽きが来る。これは隣接する国立演芸場でも聞かれる言葉である。
もう少し、考えて貰いたい。食事も観劇の楽しみのひとつである。
ところで、内容は、後者は今回初めて観た。立ち回りや木遣りなどが見所であった。
木遣りに接する機会は少ない。
(第千三百五十八段)